マンションに限らず全ての建物は、経年による劣化が生じます。
鉄部の錆やコンクリートの中性化といった経年による劣化の為の修繕だけで無く、住宅としての機能を維持するための修繕や、社会的に求められる性能の導入、改良を含める様々な修繕を行う事で、建物の価値を維持する必要があります。

 

 


○管理組合の意識
多くのマンションでは、主体性がなかったり、やる気があっても専門分野のことは理解できにくいため、日常の細々した修繕や大掛かりな修繕を始め、12~13年間隔で施工する大規模 修繕工事等は管理会社、設計建築コンサルタントの主導で行われることが大半です。
そのため金額や技術面において管理組合が不利益を被る余地も否定出来ません。

しかしその思いは、なかなか区分所有者には伝わりません。簡単なようで大変難しい問題です。 一戸建とは違い、マンションは何を行うにも組合員の合意形成が必要です。
だからこそマンションの住み心地や資産価値の向上のために粘り強く活動する管理組合運営を盛り上げてゆかねばなりません。

 

○コンサルティング
大規模修繕を計画していく上で、一昔前は施工会社に直接依頼する事が多かったようです。
最近は、設計建築コンサルタント事務所に依頼する事が多くなりました。しかし彼らは通常、販売会社、施工会社、管理会社から継続的に業務を受託する関係にあります。

本来中立性を保つと云うよりも、素人集団の管理組合側の代理人として行動する事が本来の役割です。

しかし、発注者であるマンション管理組合側の立場に立ちにくい場合が少なくありません。そのような心配事が多くなれば人間不信に陥り、理事役員の精神的負担が増すばかりです。
・安いコンサルタント委託料が果たして、管理組合の為になるか?公平か?
・業界と利害関係を無くし、管理組合の立場でコンサルティングができるか?
管理会社の立ち位置が、必然的に見えてくると思います。

○管理組合と管理会社の役割
本来は管理組合目線に立てる専門家がいて、これらの専門領域の不要不急、過大設計・積算、を指導、監督、検査、監査できれば一番良いと思います。
巨額の資金が投入される大規模修繕工事は、慎重に検討し不利益を回避しなければ、マンションそのものが危機に陥りかねません。

 

管理会社は管理組合の自主性を重んじながらも必要な知識や豊富な事例、新しい技術の提供を行い、管理組合が適切な判断が下せる環境を提供する事です。
よく「マンションは管理を買え!」と云われますが、これはしっかりした管理会社に任せていれば安心という意味ではありません。
「管理組合がきっちりと機能しているマンションを買え!」と言い換えることができます。

これから先の時代は、マンション管理組合の運営の善し悪しが資産価値に影響を与えるようになります。

個人的な意見ですが、「管理組合と管理会社」の関係は 「国民と官僚」の関係に似ていると思います。 組合員が管理組合運営に全く興味を示さなければ、組織も建物も朽ちてゆき、税金(管理費)が高くなるだけです。

管理会社(官僚)は率先して管理組合(国民)の為に積極的に関わり、提案していかなければなりません。

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